自由きままに芸術鑑賞

自由気ままに芸術鑑賞

~舞台人による、舞台人のための鑑賞記録~

ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー

今回はディズニー好きと行ったのが救いだった。恐らく、1人で行っていたら半狂乱になっていただろう…

 

私はblastが大好きだ。もうかれこれ3~4年連続で観ている。

どこが好きか…と聞かれれば勿論、「あの並外れたパフォーマンスだ」と答える。奏者なのか、ダンサーなのか、はたまた演者なのか解らない、あの出演者の並外れた音感と身体能力。

そしてスタミナ。2階席からでも手に取る様に分かるキラキラと光る汗。トランペットを吹いていたかと思えば踊り始め、踊っていたかと思えば、歌う。毎年公演を観る度に満足しながら思うのだ、「これぞ総合芸術」と。

タイトル通り、気持ち良い程に音をぶちまけ、感情をぶちまけていく。そんな姿にこちらも興奮をぶちまけ、拍手をぶちまけていく。そういった会場全体の熱気が、これまた大好きな理由の1つだ。

なのに今回はどうだ?いちblastファンとしては完全なる不完全燃焼に終わり、とても残念な気持ちで会場を去ることとなった。

一言で言うと、「中途半端」ということだ。

1つ1つの動きにあまり意味を感じられず、それぞれのキャラクターに感情移入をする前に「これは誰?」と頭を悩ませてしまう。不必要にキャラクターめいた人物を登場させるよりも、通常のblast同様、同じ衣裳を着て登場させる方が良かったのではないか。謎な演出は無駄に観客を振り回し、作品を集中できなくさせてしまう。今回もそのケースに当てはまると言えよう。

blastの良さとは、7色を軸にシーン展開されていくところにある。色から受ける印象の音楽を演奏し、歌い、踊るのだ。

例えばyellow。明るさの印象を受けるyellowでは、管楽器や打楽器の弾けんばかりの音が会場を埋めつくしダンサー達は弾けるように踊る。redは情熱的に、purpleは魅惑的に…そんな具合だ。そんな具合にダンサーはダンスをし、そんな具合に奏者は演奏する。それぞれの定義に対して、各表現者が表現をしていく。それこそがblastの良さだったはずだ。

しかし、そういった視覚的聴覚的融合の良さも、パフォーマーの統一感も霞がかかっていた。blastの世界観は勿論、「ディズニー」という大きな世界観も表現しきれていない。

ディズニー好きの友人に言わせれば、「大満足」。それは勿論、彼女が吹奏楽をやっていた人間でもあるので、ディズニーの音楽を新たなアレンジで聴くことが出来たからだろう。

それがディズニーファン全員の感想かどうかは分からない。しかし、blastファンからすると、各楽曲の良さは何一つ残っていないのだ。そもそもblastで使用される楽器は限られている。そんな中でCircle of Lifeの壮大さや、Under the Seaの雄大さを表現するには無理があったように思う。(それとも単に私がそのアレンジを受け入れられなかっただけかもしれない。)

そして最悪だったのは、スクリーンだ。あれほど必要性の理解出来なかった演出はない。奏者のシルエットや、カラーを投影させるのがblastのセンス良き背景なのだがそれを覆うように、巨大スクリーンが設置されていた。

そこにディズニーの映像が流れるのならば許そう。統一性のない映像、抽象的な映像…お世辞にも映像にマッチしているとは言い難い映像が次々と流され、もはや鑑賞者に音楽からイメージを創造する余地を与えない。そしてそのスクリーンには一度もディズニーの映像は流されなかった!ディズニーとコラボするならば、映像を流してもいいのではないか?それが出来ないのならば、無用な映像を流さずスクリーンを撤去すればよい。

来年のblastもディズニーで決まりだそうだ。ディズニー効果を狙ったものであろうが、既に決定とのことで残念極まりない。blastはコラボせずとも十分楽しめる作品。もしコラボするのであれば互いの良さを高める作品でなければいけない。それが、コラボの本来の意味なのだから…

本作、ディズニー好きにはオススメしよう。が、blast好きには薦めない。やはり、blastは「ボレロ」で始まらないと駄目だ。

詳細

主催/フジテレビジョンキョードー東京
主管/Disney Concerts、The Walt Disney CMpany (Japan) Ltd.
後援/アメリカ大使館
協力/株式会社ヤマハミュージックジャパン
会場/東京国際フォーラム ホールC
開場/18:30
開演/19:00
鑑賞日/2016年9月2日(金)
席種/A(9,500円)


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